理事長挨拶

20世紀の心理学が「個人」に焦点化して大きな成果を上げたのに対し、21世紀の心理学のテーマは、「関係」や「相互依存」に移りつつあります。
個人や家族を取り巻くさまざまな問題の中でも、「関係の心理」は中核的な位置を占めることが予想されます。家族関係としては、世代の異なる垂直的な関係としての「親子」と同時に、「夫婦」や「カップル」と言う同世代の水平的な関係が重要性を増しています。
少子高齢化の進展によって、高齢者と若年者を心理的につなぐ多世代的な人間関係を再構築することが、これからの社会的課題になることでしょう。
システム心理研究所は、このような問題に有効に対処するための予防教育に積極的に取り組んでいます。市民が変動社会を生き抜くタフネスを体得するための「コツ」や「ヒント」を具体的に伝授する心理教育プログラムの実施、子育て支援体制の充実を図るための心理臨床家の研修、不登校・ひきこもりの問題をかかえた家族を対象とする地域支援活動など、各種の社会貢献活動を支援します。すでに当研究所がブレーンとなって、全国各地の大小さまざまな組織と連携・協働し、わが国独自の「ワーク・ライフ・バランス」を実現するための活動を推進しています。すべての人々の生きる活力源としての「家族力」を高めるために、皆様の幅広いご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願いを申し上げます。

NPO法人 システム心理研究所
理事長 亀口 憲治

理事長略歴

1948年2月 北九州市に生まれる
1975年3月 九州大学大学院博士課程全単位修得
1980~1982年 ニューヨーク州立大学心理学部(フルブライト研究員)
1995年4月 福岡教育大学教授
1996年4月 同大学附属教育実践研究指導センター長
1998年4月 東京大学大学院教育学研究科教授
2002年4月~2003年3月 東京大学総長補佐
2004年~2008年 臨床心理学コース主任、東京大学学生相談所長
2008年4月~2011年3月 東京大学学生相談ネットワーク本部特任教授(企画室長)
2011年4月~ 東京大学客員教授・国際医療福祉大学大学院教授
2012年6月 東京大学名誉教授
ページの先頭へ